小鳥も人間と同様に循環器(心臓)の病気があり、小鳥の心疾患は聴診やレントゲン検査、超音波検査、心電図などで診断されます。
オカメインコの心不全!突然死を招く病気のサインが意外すぎた話
飼い鳥の心疾患は専門家でも
未だよくわからないことが
多い領域です。
患者の臨床例で
心疾患の報告が
とても少ないことも
その理由のひとつです。
インコがお星様になってから
病理解剖に回した結果
死因が心疾患によるものと
診断が下ることが多い…
つまり生前の鳥の心疾患の診断は
なかなか難しいのです。
人間と同じ様に、心臓肥大があるんですね。
今年突然ケージの上で、亡くなってしまった子がいて、寄崎先生に検体して頂いたところ、心臓発作でした。
検体をしてもらえるので、何で亡くなったのかわかるのが、とても有難いです。— 幸(こう)ちゃん (@kotochan0416) June 13, 2021
インコの心疾患は
肥満だけが原因ではなく、
皮膚からの細菌感染
(感染性の心不全)
もあるのです。
心臓が悪いことに
気づかずにいるところへ
はげしい運動をしたり
大きなストレスがかかると
突然死するケースも
少なくありません。
感染性心不全は若い鳥に多いのですが、心不全自体は加齢と共に増加します。高齢のブンチョウやラブバードに多い傾向があります。
心疾患の症状は ①突然死 ②運動不耐性(安静時は正常だが、運動後 特に飛翔後に呼吸促迫や疲れ、虚脱の症状) ③呼吸困難 ④腹水 ⑤咳 ⑥頸静脈怒張(頸静脈が膨らんだ状態)など。
※鳥の場合、X線検査をしても心臓の形から心疾患を識別するのは難しい。
via:コンパニオンバードの病気百科
急なことで残念でしたね。発情だけが死因になることはないと思います。死因に関しましては、様々なものがありますので、検査をしてみないと分かりません。3歳で急な心不全になる可能性は低いと思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) May 25, 2021
高圧電位治療中のオカメインコさんです。電位シートの上に乗っています。治療中は、ほんわか気持ちいいので、ウトウトして寝てしまいました。高圧電位治療は、副交感神経を活性化して全身の血行改善ができます。人ですと肩こりの治療器ですが、実は様々な病気の改善に役立ちます。 pic.twitter.com/hkkDqdTh5d
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) June 16, 2020
血流を改善すると、多くの病気が改善しやすくなります。例えば腎臓病、肝臓病、心臓病、脳血管障害、糖尿病、高脂血症、羽毛損傷行動などの改善にも役立ちます。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) June 16, 2020
オカメインコの右肩が上がっている!痛がらないけど何かおかしい…
オカメインコの飼い主の寄稿です
これは私のオカメインコ、
6歳のシナモンパイド・メス、
ふくちゃんの闘病談です。
ある日の放鳥タイムに
私はふくちゃんの
異変に気がつきました。
右肩が不自然に
上にあがってるのです。
それに気づく直前まで
飛んで遊んでいたので、
…と考えたのですが、
それにしては
本人も痛がってはいないし、
食欲もあり、
いつもと変わった様子は
見られません。
右肩が上がっている以外は
いつも通り
いたって元気です。
とはいえふくちゃん自身も
右肩が少し気になってるような
そんなそぶりを
時々見せていましたが、
その時の私はそれを
重大視していませんでした。
しかし、
それから3日たっても
ふくちゃんの右肩は
上がったままです。
なにか嫌な予感がした私は
いつもお世話になっている
小鳥のクリニックへ
ふくちゃんを連れて行きました。
「この子は心不全を起こしている。飛ばしちゃだめだよ!」
病院ではすぐに
レントゲン撮影をしました。
若くして心疾患になることもありますが、もしレントゲン検査もせずに心臓薬を飲ませているのであれば、セカンドオピニオンをお勧めします。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) May 29, 2021
心音や呼吸音の診察をしたとき、
ドクターからこう言われました。
そのときに見せられたレントゲン写真の、
あまりにも大きく肥大した心臓に
私は絶句しました。
思ってもみなかった
まさかの診断です。
ドクターの聴診器で
ふくちゃんの心音を
聞かせてもらったところ、
トントントントンと
聞こえるはずの鼓動が、
トントン……何秒か止まり、
またトントン…また止まり
…の繰り返しでした。
とりあえず病名がわかったことは
よかったですが、
心不全…
まさか命にかかわる
病気だったなんて。
ふくちゃんの心臓に
負担がかからないように
治療方法と今後について
ドクターと相談しました。
心臓に負担をかけさせないためのクリッピングと食事制限
このまま心臓に負担を
かけ続けることは
命取りになるため、
まずはふくちゃんが
飛べないように
翼をクリッピングしました。
さらに毎日、朝晩の
降圧剤の投与が始まりました。
その降圧剤は一度でも投与し忘れると
鳥が亡くなってしまう可能性が
あるとのことで、
私にとって
責任重大な任務でした。
1ヶ月で変化が出ることもあるので、検査したばかりだからといった理由で検査を避けるのはやめましょう。心疾患の原因は老齢性と考えられます。またこの仔の子供は若齢性の心疾患になりました。そのため遺伝的素因も関係しているかもしれません。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) March 24, 2022
若くしての心疾患は先天性の可能性が高く、お薬で維持できている場合は続けるしかないと思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) March 25, 2022
病院からは
食餌指導も入りました。
ふくちゃんの心臓を
これ以上悪化させないための
重要任務の本格始動です。
私は毎日アラームをかけ
投薬を絶対に忘れないように
気を付けました。
また、放鳥したときに
ふくちゃんが飛び立とうとしないよう
細心の注意を払うため、
常に私が目の前にいる状態で
ケージから出したり、
飛べないストレスがたまらないように
いっしょに遊ぶことにしました。
飛ばなくなったら体重増加!ペレット切り替えで食餌制限スタート
病院の受診から数日後、
ふくちゃんに投薬の効果が
現れ始めたのか、
上がっていた右肩が
次第に元の位置に戻ってきました。
病院を再診した時にも
再びふくちゃんの心音を
聞かせてもらったのですが、
このときのは多少乱れてはいたものの
しっかり鼓動は聞こえていて、
素人でも前回との違いが
はっきりわかり、
治療効果が確実に上がって
きていることを実感できました。
このときにふくちゃんの
体重を計ったのですが、
83gから92gまで増加していました。
ドクターから
…との説明を受け、
…とのアドバイスを受けて
食餌をシード食からペレットを
中心とした内容に移行し、
さらにダイエットを意識しながらの
闘病生活を続けていくことに
決まりました。
ふたたび 投薬に食餌制限を組み合わせた
闘病生活を続けた後に
病院を再受診したところ、
前回92gまで増えていた体重が
85g程度まで落ちていました。
心音も落ち着いた状態を維持しており
ふくちゃんの状態が
さらに快方に向かっていることが
わかりました。
ふくちゃんの治療にとことん付き合っていく覚悟を決めて
最近のふくちゃんは
少しずつ羽も伸びてきて
ジャンプ程度に飛べる?ように
なってきています。
そこで心臓に無理のない範囲で
動く時間を増やしていってます。
この投薬治療が始まってから
早10カ月。
現在もふくちゃんを思いきり自由に
飛ばせてあげることは出来ませんが、
少しくらいなら
飛んでも肩が上がらない
程度にまでになりました。
投薬治療は薬代だけで
(降圧剤3本・1本で1週間分ほど)
7200円かかっていて
決して安いものではありません。
そこに定期的な診察が加わると
1万円強の治療費がかかりますが、
ふくちゃんの命には代えられない出費です。
私の自宅から小鳥の病院まで遠いので
降圧剤の3本目をあけたら
すぐ病院に電話をして
次の分を郵送してもらっています。
その病院側の配慮がとてもありがたく、
そのおかげもあって
これまでふくちゃんとの
二人三脚の闘病生活を
がんばってこれたのです。
毎日投薬を続けていると
ふくちゃんもそれが日課だと
認識してくれたらしく、
自ら口をあけて
飲みたくもないお薬を
我慢して飲んでくれるようになりました。
また羽が伸びてきてしまうと
どうしても習性上 飛んでしまうので、
先日病院でクリッピングしてきました。
心不全が発覚して初めの3か月間は
症状が落ち着くまで
月1ペースで通院していましたが、
今は2ヶ月に1度の通院ペースです。
その成果で状態は安定していますが…
残念ながら心不全は
完治することはありません。
ですが ふくちゃんは診察のたびに
ドクターに「シャーッ!」と
威嚇するほど元気です(笑)
ふくちゃんの心臓が
いつまでもつかは分かりませんが
唯一無二の大切な家族の
ふくちゃんの治療に
私はとことん付き合っていく
覚悟を決めています。